「いま指揮者1年生」ピアニスト反田恭平、自身のオケと全国ツアー
尾崎千裕
「生きる道はここかもしれない」
12歳の時、直感した。ピアノも弾くけれど、サッカーも大好きだった反田恭平が、初めてオーケストラの指揮を体験した瞬間。心が震えた。
タクトを振ったのは、チャイコフスキー「白鳥の湖」の「チャルダッシュ」。指揮者の曽我大介のワークショップで、自ら手を挙げて選んだ曲だった。
「指揮者になるにはどうすればいいですか?」。曽我に尋ねると、「ピアノは指揮をするのにとてもいいから、まずはピアノを究めなさい」と返された。
それから15年。2021年のショパン国際ピアノコンクールで、日本人として51年ぶりとなる2位に輝いた。
「なりたい、ならなければ」
「ここまできたら、指揮をや…