AGCがロシア事業譲渡・撤退へ 22年12月期は減損処理で赤字に

江口悟
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 ガラス大手のAGCは8日、昨年2月にロシアがウクライナに侵攻した後、新たな投資を停止していたロシアでの事業について、譲渡の検討を始めたと発表した。従業員の雇用を守るため、事業継続を前提に譲渡先を探す方針も示した。

 AGCはロシア国内で主に建築用と自動車用のガラスの製造・販売を手がけてきた。2022年12月期の売上高は400億円、営業利益は78億円で、約2千人の従業員がいるという。譲渡が実現した場合、ロシアでの事業からは完全に撤退する方針だ。

 同日発表した22年12月期決算(国際会計基準)は売上高が2兆358億円と過去最高だったが、営業利益は前期比222億円減の1839億円。ロシア事業の136億円を含め、需要が急減したディスプレーやプリント基板材料などを合わせた減損損失計1284億円を計上した結果、純損益は31億円の赤字となった。

 平井良典社長は同日の記者会見で、特に自動車関連とディスプレー事業の「抜本的な構造改革を進める」などと述べ、収益改善の対策を急ぐ考えを示した。(江口悟)

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