首相秘書官による性的少数者への差別発言を受け、自民党が党内調整の難航を理由に後ろ向きだった「LGBT理解増進法案」の議論を再開する。多様性に理解がないなどの政権への批判をかわす狙いから、岸田文雄首相が指示した。だが、一部の自民保守系議員の反発で、与野党でまとめた法案の提出を断念した経緯があり、議論の集約は容易ではない。
理解増進法案は2021年、自民も含む超党派議員連盟を中心にまとめられた。だが、当初の自民案にはなかった「差別は許されない」との文言が加わったことに自民の一部議員が反発し、党内手続きが整わずに法案提出に至らなかった。以来、党内で議論はまったく進まず、法案もたなざらしにされた。
首相秘書官の差別発言を受けて、首相が茂木敏充幹事長に議論を進めるように指示。茂木氏が6日の記者会見で、「わが党においても引き続き提出に向けた準備を進めていきたい」と議論の再開を表明した。
だが、党内は一筋縄ではいきそうにない。
公明まで? 狭まる「自民包囲網」
法案のなかに「差別」の文言…
- 【視点】
「差別は許されない」という文言に対する自民党の姿勢の表現として、この記事の見出しや本文にある「消極」という言葉は適切でしょうか。一昨年の法案が頓挫した経緯にも明らかですが、自民党の「反対」がなければ「差別は許されない」という文言を含んだ一昨
- 【視点】
立憲民主党の安住淳さんが言っているように、理解増進法はあくまで「入り口」でしかありません。差別禁止法まで議論を進めて欲しいと思います。 「『差別を受けた』という訴訟が増えかねない」などという主張があったようですが、何をかいわんや、です