バイデン氏、実績強調も議場からやじ ウクライナ支援「過剰」派増加
ワシントン=望月洋嗣 合田禄 下司佳代子
バイデン米大統領は7日の一般教書演説で、国内の政治対立を乗り越え「(中国との)競争の勝利を通じて団結すべきだ」と訴えた。だが、米国社会の分断を反映した党派対立は根深く、下院を制する共和党の議員からやじが飛ぶ場面もあった。大統領の権力が議会に厳しく制約される米国で、内外に課題を抱えたバイデン氏の政権運営は容易ではない。
バイデン氏は登壇すると、昨年の中間選挙で下院の多数派を奪還した共和党のマッカーシー議長と握手した。3年前、トランプ前大統領は当時のペロシ下院議長(民主)が差し出した手を無視し、握手しなかったことがあるが、まずは融和ムードを演出した。
バイデン氏が最初に強調したのは、コロナ禍からの回復を目指した政権発足以降の経済面の成果だ。「1200万人の新規雇用を生み出した。これまでの大統領が4年間で創出した雇用よりも多い」と語り、失業率が歴史的な低水準になっていることも強調した。
超党派の立法で大型のインフラ投資などを実現させた実績も訴えた。今年1月にテネシー州で黒人男性が警察官に暴行され死亡した事件に触れて警察改革を呼びかけたり、薬物の過剰摂取や銃規制、「心の健康」対策への対応を求めたりと、米国社会に横たわる幅広い社会課題に言及した。
ただ、今後の2年間は民主党…