ウルフ賞に東京大の菅裕明氏 「ペプチド」で新しい医薬品への道開く
イスラエルのウルフ財団は7日、2023年のウルフ賞を発表し、化学部門に菅裕明・東京大学教授(59)を選んだ。化学部門の日本人の受賞は、野依良治・名古屋大学特別教授(01年)、藤田誠・東京大学卓越教授(18年)に続き、3人目となる。
菅さんは、人工のRNA触媒「フレキシザイム」を開発し、天然のアミノ酸と天然にはないアミノ酸を高効率で結合させることに成功した。体内で分解されにくい特殊なペプチドがつくれるようになり、薬の候補となる物質を安く大量に合成する研究を進めている。
ウルフ財団は「従来の方法だけでは不可能だった大規模で複雑な分子の構築が可能になった」と評価した。米国の研究者2人との共同受賞。
ウルフ賞は、ウルフ財団が1…