「リーダー格」ら2人帰国、本格捜査へ フィリピンの詐欺グループ

【動画】フィリピンで収容の日本人容疑者残りの2人が日本に到着=諫山卓弥、山本裕之、小林一茂、山口啓太撮影
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 フィリピンを拠点とする特殊詐欺グループの幹部だったとして、同国から移送中の航空機内で逮捕された渡辺優樹容疑者(38)と小島智信容疑者(45)の2人が9日早朝、羽田空港東京都大田区)に到着した。警視庁は2人を都内の警察署に移し、本格的な捜査を始める。

 2人を乗せた航空機は9日午前4時50分ごろに羽田空港に着陸。渡辺容疑者は黒いパーカ姿でフードをかぶり、小島容疑者は薄い緑色のTシャツ姿で、ともにマスクを着けてうつむき気味に捜査員に囲まれながら歩いていた。

 7日には同じグループの今村磨人(きよと)容疑者(38)と藤田聖也(としや)容疑者(38)の2人が送還・逮捕されており、9日の送還で警視庁がフィリピン当局に引き渡しを求めていた4人全員の引き受けが実現した。

 この4人をめぐっては、特殊詐欺事件のほかに、昨年から各地で相次いだ強盗事件への関与も疑われている。これらの強盗事件では、匿名性の高い通信アプリ「テレグラム」で「ルフィ」や「キム」と名乗る人物が指示していた疑いが浮上。同庁は4人の中に「ルフィ」「キム」がいるとみている。

 警視庁によると、渡辺容疑者と小島容疑者の逮捕容疑は2019年11月、警察官と金融庁職員を名乗り、東京都内の男性に電話してキャッシュカードを用意させ、自宅を訪れてカード2枚を盗む特殊詐欺グループに幹部などとして関わったというもの。警視庁は、渡辺容疑者がグループのリーダーで、小島容疑者がその側近だったとみている。このグループによる被害総額は60億円以上とされる。

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