フィリピンを拠点とした特殊詐欺事件に関与したとして、日本政府がフィリピン政府に強制送還を求めていた日本人4人のうち2人が8日、日本側に引き渡された。これで4人全員が日本に帰ることになる。日本から約3千キロ離れた島国で世界の注目を集めた事件は、一つの節目を迎えた。
8日夜、渡辺優樹容疑者(38)と小島智信容疑者(45)の2人はマニラ首都圏にある入国管理局の収容施設から車に乗せられ、近郊の国際空港に移送された。他の2人が先に送還された前日に続き、空港には報道陣が詰めかけ、警察が厳戒態勢を敷いた。
午後9時半ごろ、警察車両が飛行機のタラップ周辺で赤色灯を回し、その周りで警察官数人が警戒を始めた。約40分後、司法省の報道担当者が空港内で会見。2人が空港に到着したことを明かし、「移送の手続きはスムーズに進んだ」と安堵(あんど)の表情を見せた。
しかし、すぐに雰囲気を一転させ、「収容施設での携帯電話の問題は終わりではない。入管職員の関与について調査を進める」と語気を強めた。「マルコス大統領の訪日中にこの問題が持ち上がるのを避けたかった」とも話し、強制送還を急いだ経緯を振り返った。
その後、フィリピン側の説明…