コロナ、5月8日から患者数「定点把握」 毎日の感染者数発表は終了
新型コロナウイルスの感染動向の把握方法をめぐり、厚生労働省は9日、感染症法上の「5類」に移行する5月8日から、特定の医療機関に週1回患者数を報告させる「定点把握」に移行する方針を決めた。現在は感染症法などに基づき患者を全数把握しているが、今後は日々の感染者数の集計や発表もなくなり、感染動向を週1回公表する。
9日の感染症部会で専門家らが議論した。「定点把握」は季節性インフルエンザなどの流行を把握するために用いられている仕組み。新型コロナでも5類に移行後、全国約5千カ所のインフル定点医療機関が毎週、患者数や年代、性別などを自治体に報告するのを基本とする。国立感染症研究所が週1回、報告数を公表することになる。
ただ、専門家からは「注意報」や「警報」のように国民の対策につながる指標も検討すべきだとの意見が出た。インフルでは全国の推計患者数も公表しており、厚労省は今後、具体的な公表内容を検討する。
厚労省の研究班は2022年1~8月、六つの自治体でインフルの定点から週1回、コロナの患者数の報告を受けた。現在の全数報告とおおむね同様の発生動向が得られたという。
入院者数や重症者数については、現在のシステムを一定期間継続しながら、インフルの入院患者を報告している全国約500の定点医療機関から週1回報告を受けて把握する。死亡者数の把握方法は示さなかったが、引き続き検討する。
変異株の動向を注視するため、ゲノム解析は規模を縮小して継続する。(神宮司実玲)
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