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【そもそも解説】臓器移植法、何を禁じている? 無許可あっせんとは

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野口憲太
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 海外での臓器移植を無許可であっせんしたとして、NPO法人の理事が警視庁に逮捕されました。根拠となった臓器移植法や、国内の臓器移植の現状について、Q&A形式で解説します。

 Q 臓器移植の事件がニュースになっているね。

 A 臓器移植法に違反したとしてNPO法人の理事が逮捕された事件だね。海外での移植を無許可で仲介(あっせん)した疑いがあるとされているよ。

 Q 臓器移植法ってどんな法律?

 A 1997年に施行され、脳死になった提供者(ドナー)から臓器を移植できるようになった。でも、当初は、ドナー本人が事前に残していた「提供したい」という意思が確認できないと提供はできなかった。

 2010年に改正法が施行されて、ドナー本人の意思がわからない場合や、ドナーが15歳未満の子どもの場合でも、家族の承諾があれば提供が可能になった。

 Q 脳死以外の移植もあるの?

 A 健康な親族がドナーになる「生体移植」と、亡くなった人からの「死体移植」の二つに大きく分けられる。さらに死体移植は脳死と心停止後に分けられる。

 人の体に二つある腎臓や、再生能力のある肝臓などは生体移植ができる。ただ、健康なドナーにメスを入れることになるため、日本移植学会の倫理指針でも「本来望ましくない」医療行為だとされている。

 脳死の場合は心臓など多くの臓器が提供できるけど、心停止後の場合は、おもに腎臓に限られる。

 Q 法律では何が禁じられているの?

 A まずは、金銭などの利益…

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