原発政策の大転換、方針を閣議決定 新規建設、60年超運転も
岸田政権は10日、原発の新規建設や60年を超える運転を認めることを盛り込んだ「GX(グリーン・トランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」を閣議決定した。東京電力福島第一原発事故以降の原発政策の転換が、正式な政府方針となった。通常国会に関連法案を提出する。
昨年12月に示された基本方針の原案に対するパブリックコメント(意見募集)には、原発政策への反対意見が多く寄せられたが、大きな修正はなかった。
基本方針は、2050年の脱炭素社会の実現に向けて今後10年間にとるべき政策を中心に列挙。再生可能エネルギーとともに、原発の「最大限活用」を明記した。事故後、新規建設については「現時点では想定していない」としてきたが、取り組む方針に転換した。
具体的には、政府が「次世代革新炉」と呼ぶ改良型の原発について「開発・建設に取り組む」とし、廃炉を決めた原発の敷地内で建て替えを進める。いまは原発のない地域でも、建設を「検討していく」とした。
一方、原案で「まずは廃止決…
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