弥生時代の青銅武器の鋳型、全国で初めてセットで発見 福岡の遺跡
福岡市博多区板付6丁目の高畑(たかばたけ)遺跡で、弥生時代後期前半(紀元1~2世紀ごろ)の青銅武器「広形銅戈(ひろがたどうか)」の鋳型の両面が発見された。市によると、実際に使用された痕跡のある鋳型がセットで見つかるのは全国初という。
福岡市が2日発表した。市によると、見つかった鋳型は長さ約44センチ、幅約21センチ、重ね合わせた厚みは約15センチ。鋳型は地表面から深さ1・5メートルで発見した弥生土器の廃棄場所から出土した。材質は「石英長石斑岩(せきえいちょうせきはんがん)」で、熱に強く加工しやすいのが特徴という。付着した土などを除去し、3Dスキャナーで調べたところ、銅戈の先端部に最大8ミリのわずかなずれがあったが、それ以外の部分は一致したという。
銅戈は弥生中期初め(紀元前3世紀ごろ)に朝鮮半島から北部九州に伝わった。国内で鋳造されるようになって大型化し、最も変化が進んだのが広形銅戈で、祭りの道具に使われていたと考えられている。
これまで全国で発見された鋳型は、一部が割れているものや片側のみが発見されてきたが、完全な形の鋳型がセットで発見されるのは全国初という。今回の発掘調査では鋳型とともに、溶かした青銅を入れる注ぎ口のついた器具「取瓶(とりべ)」も見つかっており、周辺で広形銅戈の鋳造が行われていた可能性が高いという。
市の担当者は「弥生時代の青…