断層はさんで2メートルの横ずれ 建物で「パンケーキクラッシュ」も

有料記事トルコ・シリア大地震

佐々木凌
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 トルコ南部からシリア北部にかけて6日未明に起きた大地震で、震源付近の地表面に最大2メートルの地殻変動が生じたとみられることが、国土地理院の解析で明らかになった。断層のずれは約200キロ以上と広範囲。階が重なるようにして建物が平たく押しつぶされる「パンケーキクラッシュ」と呼ばれる現象が起きたという指摘もある。

 国土地理院は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測衛星「だいち2号」による昨年4月と今月8日の観測データを比べ、地表面の地殻変動を解析した。現地時間の6日未明にあったマグニチュード(M)7・8の地震では、東アナトリア断層を境に、北側は南西方向、南側は北東方向にずれ、最大でそれぞれ1メートル、計2メートルずれていた。ずれた範囲は200キロ以上に及んでいたという。

 約9時間後に約100キロ北の別の断層で発生したM7・5の地震では、東西に最大で計4メートルの地殻変動が確認されたという。

 国土地理院の宗包浩志・地殻変動研究室長によると、M7・5の地震の方が地表のずれが大きかったことについて、震源の距離が浅かったためと考えられるという。また、今回の観測は限られた範囲のため、M7・8の地震で2メートル以上の地表のずれが起きた場所がある可能性もあるという。

 宗包さんは「熊本地震の時のずれは約2メートルだった。今回は、ずれた範囲が広く、規模が熊本地震を超える地震だということが分かる」と話した。

後半では、東京大地震研究所の楠浩一教授に「パンケーキクラッシュ」について聞きました

 建物の倒壊について東京大地…

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