第4回日産、「悲願」達成の先にある真の試練 技術革新を生む提携の姿とは
過去の延長線上で、ビジネスを続けるわけにはいかない。提携先の仏ルノーと資本関係を対等に見直すと公表した6日の記者会見。日産自動車社長の内田誠は、何度もそう訴えた。
自動車産業を襲う、次世代技術「CASE」の波。インターネットとつなぐコネクテッド(C)、自動運転(A)、シェアリング(S)、電動化(E)が一度に進む。
日産の立ち位置は心もとない。まず、電気自動車(EV)シフトへの対応が遅れている。世界初の量産EV「リーフ」を2010年に発売するなど、かつては先行した。しかし、22年のメーカー別の販売台数は、提携する三菱自動車を加えた「3社連合」の合計でも7位(約28万台)にとどまる。
研究開発にかける資金でもライバルたちに見劣りする。日産は約5千億円で、3社連合でも9千億円程度。1兆~2兆円規模を確保するトヨタ自動車や独フォルクスワーゲンには及ばない。
「GAFA」と呼ばれる世界的なIT企業も、新たな競争相手として台頭する。傘下企業が自動運転を手がける米グーグルの21年の開発費は約4兆円でトヨタ自動車の3倍強に上る。米アップルは、「iPhone」のノウハウを駆使した「アップルカー」の開発を進めている。
国際自動車工業連合会(OICA)によると、世界の21年の自動車の生産台数は8014万台。20年前からは4割増えたが、17年をピークに減少傾向にある。自動運転とシェアリングが相まって進めば、台数の増加は見込みにくくなる。
地域ごとに求められるクルマ…
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- 【視点】
電動化が加速する世界の自動車市場にあって、日産の立ち位置が心もとなくなっているのは確かですが、記事に添えられているメーカー別のEV販売ランキングで分かるように、ルノー・日産・三菱自動車の3社連合は現時点では、ホンダやトヨタ自動車グループに比
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