トルコ・シリア地震 1週間で死者3万5千人超 2600万人が被災
トルコとシリアで大地震が起きてから、13日で1週間が過ぎた。両国当局などによると、死者は3万5千人を超えた。被害の全容はなお不明で、国連は今後も死者が大幅に増えるとみる。内戦下のシリアには国際社会の支援が届きにくい状況が続き、人道危機が深刻になっている。
マグニチュード(M)7・8の地震は現地時間の6日未明、トルコ南東部のシリア国境付近を震源として発生。約9時間後にも約100キロ北でM7・5の大きな地震が起きた。
この地震による死者数は2011年の東日本大震災(1万9759人、総務省消防庁まとめ)を大きく上回る。世界保健機関(WHO)の10日段階の集計によると、被災者数は両国で計2600万人に上り、うち508万人が高齢者や子どもらだという。
トルコの災害当局は13日、国内の死者数が3万1643人になったと発表した。シリア保健省は12日、1414人が死亡したと発表。反体制派が支配する北西部では、ボランティア救助組織「シリア民間防衛隊」(通称ホワイトヘルメッツ)が11日、2167人以上が死亡したとSNSで公表した。
トルコ当局によると、地震で国内の15万8165人が住んでいる地域を離れ、他の地域に避難したという。また国内の救急隊やNGOなど約3万6千人が救助や支援活動にあたっている。他国からも約9800人が派遣され、活動を展開しているという。
国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、トルコでは6500棟以上の建物が倒壊した。シリアでは北西部で550棟以上が倒壊し、1570棟以上が深刻な被害を受けているとの情報もある。
外国からの救助隊や支援物資が多数入っているトルコに比べ、内戦下のシリアでは支援が滞っている。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の推計では、シリアで530万人以上が住む場所を失った。地震前から約680万人の国内避難民がいたといい、人道危機の深刻化に警鐘をならしている。
トルコ南部の被災地を訪れた…