ロシアによるウクライナ侵攻後、欧米や日本はロシアへ経済制裁を科してきました。効果は十分なのか。国連安全保障理事会でイラン制裁委員会の専門家パネル委員を務めた東京大・鈴木一人教授に聞きました。
――これまでの対ロ制裁をどう評価しますか。
制裁の目的は、ロシアに戦争をやめさせる、あるいはできなくさせることですが、内容は、非常に甘い。
制裁の参加国は40カ国程度と少なく、全て(の分野)に網を張っていないので、そもそも制裁に「抜け穴」があると指摘するのは間違いです。(抜け穴どころか)大きな道路の真ん中に石を置いたぐらいで、その石を避けるように、ロシアは制裁を回避できてしまう。
それでも、ロシアはその石を十分に回避できていない。想定以上の影響が出ています。
【連載】ロシア制裁の穴を追う ウクライナ侵攻1年
連載の最終回は、イラン制裁の際に国連安保理の専門家パネル委員として関わった鈴木一人・東大教授に聞きます。対ロ制裁について「非常に甘い」と話す鈴木教授。イラン制裁や、太平洋戦争時に日本が科された制裁にも触れながら、ロシアへの制裁効果を評価してもらいました。
――具体的には。
ロシアへのハイテク製品の輸…
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