14日に97歳で亡くなったトヨタ自動車名誉会長の豊田章一郎さんを悼む声が、後進や財界から相次いでいる。現場を大切にし、厳しかった仕事への姿勢が浮かんでくる。
「社長になっても工場の現場をよく回られた。豊かな発想でいろんなことを聞かれ、よく答えに困った」
工場たたき上げで、現場出身の技能職として初めてトヨタ副社長を務めた河合満エグゼクティブフェロー(75)は懐かしむ。
「河合君、なんでこれをやっとる。やめられんのか?」。生産工程にムダはないか豊田さんが尋ねてきたが、河合さん自身は大事な工程だと思っていた。「どこからそういう言葉が出るのか、宇宙人みたいとさえ思った。技術の進歩もあるが、10年、20年たつとその仕事は本当にやらなくて済むようになった」
何のためにその仕事をやっているのか。本当に必要なのか。それを常に問いかけ、考えさせたという。「やっぱりあの人は技術者。カイゼンのヒントを出すのは(長男の)章男社長も同じ。章一郎さん譲りだなと思った」と語った。
40年ほど前、社内のカイゼ…
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