エンブレムをはずして抗議 男女格差に揺れるサッカーのカナダ代表
16日に開幕するサッカー女子の国際親善大会「シービリーブスカップ」に出場するカナダ代表が揺れている。男子代表との待遇の不平等解消を求め、カナダ協会に対して抗議を続けている。15日には選手たちが協会のエンブレムを外したTシャツを着て練習した。
「残念ながら、今はサッカーだけに集中できる状況ではない」
2021年の東京五輪で金メダルを獲得したカナダのクインの表情はさえなかった。
練習で着る赤いTシャツには、文字や協会のエンブレムをはがした跡が残っていた。報道陣の取材に応じた選手たちのなかには、Tシャツを裏返しに着てエンブレムを隠した選手もいた。
いずれも、抗議の意を表すため、選手同士で話し合って決めたのだという。クインは「自分たちはチームよりも、もっと大きなもの(協会)と向き合わなければならない」と話した。
きっかけは、9大会ぶりに男子が出場を果たした昨年のワールドカップ(W杯)カタール大会。カナダ協会が強化や人件費などに費やした予算が、男女で格差があることが明らかになった。女子選手たちは水面下で何度も改善を求めてきたが、折り合わなかったという。
五輪で金メダルを獲得するなど実力のある女子選手たちは「待遇が改善されなければ、代表活動には参加しない」と主張した。今回のシービリーブスカップへの参加は決めたものの、4月の代表活動期間中にボイコットする可能性も示唆した。
こうした行動に対し、世界ランキング1位の米国の選手たちも賛同の意を示している。
米国は男子代表との待遇格差…