防衛省は16日、日本の領空に侵入した外国の気球などへの武器使用の要件を緩和する方針を示した。これまでは自衛隊法84条に基づき「正当防衛」か「緊急避難」の場合に限られていたが、「地上の国民の生命・財産」や「航空路を飛行する航空機の安全」などを守るために、正当防衛や緊急避難にあたらなくても使用を認める。
自衛隊法84条は、外国の航空機が領空に侵入した場合、「必要な措置を講じることができる」と定めている。その際の武器の使用については、正当防衛と緊急避難の場合に限って認められるとされてきた。想定されていたのは、領空侵犯した有人の軍用機だったが、2月に入って、米国は中国の気球を撃墜。14日には防衛省が2019~21年に日本の領空内で確認された気球型の飛行物体は「中国の無人偵察用気球であると強く推定される」と発表した。
防衛省は改めて気球など無人機に対する武器使用について検討。領空侵犯する無人の気球や飛行船は、危険な物を搭載している可能性があり、警告などに従うことなく領空を漂い続ける特徴がある。そのまま放置すれば他の航空機の安全な飛行を阻害するといった危険性があると判断。正当防衛や緊急避難に該当しない場合であっても、地上の国民の生命・財産の保護や、航空路を飛行する航空機の安全の確保といった目的のため、武器を使用することができるとした。
井筒俊司・航空幕僚長は16…
【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら