タモリさんが言った「新しい戦前」どう回避 本音を言えなかった日本

有料記事

聞き手・小村田義之
[PR]

 「新しい戦前」とタモリさんが言った時、「どういう意味ですか」と聞き返してほしかった――。太平洋戦争に突き進んだ日本についての著書がある歴史研究者・堀田江理さんは、こう語ります。本音と建前を使い分け、議論が中途半端になりがちな日本で、どうすれば「新しい戦前」を回避できるのか。堀田さんに聞きました。

 「来年はどんな年になりますかね」「新しい戦前になるんじゃないですかね」

 黒柳徹子さんとタモリさんのやりとりをネットで見ましたが、おやっと思ったのは、「新しい戦前」という言葉について、タモリさんが何も説明しなかったことです。

 できれば「どういう意味ですか」と聞き返してほしかった。言葉の合意がない場所にダイアローグ(対話)は生まれないからです。SNSでも都合よくタモリさんの言葉を解釈した平行線上のモノローグ(独白)が目立ちます。せっかくおもしろい考察があっても、議論が中途半端になりがちなのは残念です。

 私が「戦前」と聞いて思い浮…

この記事は有料記事です。残り957文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら

  • commentatorHeader
    前田直人
    (朝日新聞デジタル事業担当補佐)
    2023年2月18日11時17分 投稿
    【視点】

    「新しい戦前」というキーワードが埋めるべき余白は、想像してみるだけでかなり広い。リアルな政治とは一線を画し、あえてその対極の位置にいたタモリさんの一言は、本人が何を語るかというよりも、今を生きる私たちが、そこに何を感じ取れるかということが大

    …続きを読む