「はまなみそ」由来は徳川家康の好物から? 雪国の保存食のヒミツ

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小田健司
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 温かいご飯に乗せても酒のアテにしてもぴったりの名物なのに、福井県外での認知度はそれほどでもない。職場でそんな話を聞いて、ならばと取材したのが「はまなみそ」。そのまま食す「おかず味噌」の一つで、雪国・福井で越冬食として親しまれている逸品だ。

 まず、教えを請うたのは、福井市内で200年近く味噌を作っている「米五」の直営店「みそ楽」。多田健太郎社長(38)が相手をしてくれた。

 米五では7月になると、大豆や麦のこうじなどで「もろみ」を仕込む。秋以降にナスを塩漬けにして甘く煮詰め、ほかの材料と熟成したもろみを混ぜたものがはまなみそになる。10月から3月いっぱいまで10トンほど販売する。

 多田社長によれば、はまなみその発祥は定かではないという。しかし、有力な説として伝わる話はある。

 「浜松市の名産の浜納豆(乾燥納豆)が由来と言われています。徳川家康が好んで食べて、それを家康の次男が福井で広めたと言われています」

 その次男こそ、福井藩初代藩主・結城秀康(1574~1607)。越冬食として福井で独自に進化していったのが、現在のはなまみそだという説だ。

 確かに「はまなっとう」に由来する「はまなみそ」なら納得感がある。一方、何を「はまなみそ」というのか。福井県は認証基準を示している。そこには、「大豆を蒸煮したものに炒ったひき割小麦又は裸麦を加え、こうじ菌を培養したものに……」などとある。

 ところが、食文化を行政が定…

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