ミサイル発射情報、2発のはずが「3発」に メール送信でトラブル

田嶋慶彦
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 北朝鮮による20日朝の弾道ミサイル発射をめぐり、海上保安庁は3回の発射情報を出したが、北朝鮮が実際発射したのは2発だった。情報は「防衛省→内閣官房→海保」と伝達する仕組みになっており、内閣官房から海保へのメール送信のトラブルが原因だったという。

 松野博一官房長官は同日午前の記者会見で、「内閣官房において、2回目の発射情報が海上保安庁に到達しているか直ちに確認できなかったため、再度送信を行い、これが結果的に3回目の情報発信になった」と説明した。

 海保は同7時5分、同12分、同13分の計3回、「防衛省によると、北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射された」とし、注意を呼びかけるメールを事前に登録した人たちに送った。しかし、防衛省は同8時過ぎ、北朝鮮から発射された弾道ミサイルは2発だったと発表した。

 内閣官房によると、防衛省から内閣官房への電話による情報伝達は2発分だった。だが、内閣官房から海保へメールを送信する際、2発目についてのメール送信が遅延し、送信完了が確認できなかった。そのため別のパソコンから、すぐに2発目について改めてメールを送った。結果的に海保にはメールが3回届き、海保はミサイル発射情報を3回発信した。

 内閣官房の担当者は「安全確保の観点から、情報が重複しても警報が出ないよりはよかった。対応に問題はなかったと考えている」と話した。(田嶋慶彦)

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