迫害され逃れた故郷が地震に 難民申請のクルド人「送還されたら…」
江戸川夏樹
故郷を二度、失った。
一度目は迫害で、二度目は地震で。
「国を持たない最大の民族」とも呼ばれるクルド人のカラゴズ・オマル・ファルクさん(34)。日本で難民申請をしたが、難航中だ。「私たちの居場所はどこにあるのか」。苦しみながら生きている。
トルコ南部のアディヤマン・ゴルバシ地区。2月6日の大地震で被害を受けた地域が、カラゴズさんの故郷だ。
「街路樹も多くて、きれいな街だった」
だが、23歳でこの場所から逃れた。
最初の違和感は小学生のころ。クルド語を自宅の外で使うと怒られた。「地域の半分はクルド人。なのに、なぜ?と思った」
この国で自分は生きていけるか
高校生になり、父の金細工の…