「本屋があれば…」地方移住で考えた イクメンブーム立役者の挑戦

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宮田裕介
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 父親の育児参加を促す活動を続け、「イクメン」ブームの立役者でもある安藤哲也さんが、新たに「本屋を中心にした街づくり」に動き始めた。きっかけは、コロナ禍の地方移住の体験だ。

 安藤さんは2006年、NPO法人「ファザーリング・ジャパン」を設立。「イクメン」ブームの一翼を担った。最近は、若い世代よりも管理職世代が課題だと、新たに「イクボス」を提唱してきた。

 講演や研修のため、1年のうち100日は飛行機に乗って全国各地を飛び回っていたが、コロナ禍になり、仕事が一休みになった。

 振り返れば、それまでは1泊2日での出張が多く、土地土地のことをあまり知る機会がないままだった。

 地方でのビジネス創出を支援する企業のアドバイザーを務めていたこともあり、1カ月間の「プチ移住」を試すことにした。

人口減のまち「本屋をつくって」

 昨年5月、最初に訪れたのは、人口1・7万人の山形県河北町、昨年9月には、1・3万人の兵庫県新温泉町に「移住」した。

 河北町にあるカフェを訪ねた時、運営する女性からこう言われた。

 「この町には本屋さんがないのよ。安藤さん、本屋をつくってよ」

 そのカフェには絵本やアートブック、詩集などが並んでいた。

 「本はアマゾンで買うの?」…

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