遠く離れたふるさとを思い、毎晩、石川県から祈りを捧げている。
「戦争が一日でも早く終わりますように」
戦禍のウクライナから来日したのは昨夏だった。最近になって家族のビザが認められ、妻と息子と一緒に暮らせるようになった。
バスケットボールの元ウクライナ代表ポイントガード、イホール・ボヤルキム(27)は、ロシア系住民も多い東部ドルジュキウカで生まれた。ウクライナの国内リーグでプレーしていた。
ロシアの侵攻でプレーする場を失っていた時、日本とウクライナのバスケット協会関係者のつながりから日本でプレーする機会を得ることができた。2人の仲間とともにBリーグ3部の金沢武士団に所属している。
「日本でバスケットをできることに感謝している」
母国でつかんだ二つの栄光
ただ、離ればなれになったままの家族の安否は気にかかる。
故郷ではロシア系住民は身近な存在だったというボヤルキムは、「すべてのロシア人が憎いわけではない」。ご飯を食べて、みんなで笑う生活を願う。一方で、憎しみや怒りについても口にします。抱えている思いを語りました。
おなかに第2子を授かった兄の家族はスイスに移住したが、両親は故郷に残っている。
「先日も親の仕事場から1キ…
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- 【視点】
アルバルク東京にレンタル移籍中の2月、ボヤルキム選手を取材しました。Bリーグ1部の強豪であるアルバルクのスピード感やコンタクトの強さに慣れるのは大変だと笑っていましたが、バスケットのプレーで苦労できること自体が幸せそうに見えました。
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1990s - 2023 JAPAN BASKETBALL
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