奪われたウクライナの「光」 衛星写真が語る、侵攻の影と破壊の爪痕

有料記事ウクライナ情勢

牛尾梓=キーウ 日高奈緒
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 24日で1年を迎えたロシアの侵攻で、ウクライナは大きな被害を受けてきた。衛星写真を使って、侵攻前と侵攻後を比較すると、破壊の規模が上空からでもはっきりとわかる。その空の下には普通の人たちの暮らしがあった。

 電力やエネルギーなどのインフラ施設は度々、ロシア軍の標的になった。攻撃を受けるたび、市民は大規模な停電に直面してきた。

 米航空宇宙局(NASA)が衛星を使って撮影した夜間光のデータを見ると、一目瞭然だ。

 侵攻前の2022年1月と侵攻後の同年5月に撮影された首都キーウ上空の画像を見ると、市中心部を除き、光がまばらになっている。

 市民たちは停電をどう乗り越えているのか。

 ダニール・メリューシュカさん(26)とマリーナ・ノボハツィカさん(21)は、キーウ郊外にある26階建てマンションの19階に住んでいる。

【そのほかの衛星写真も】奪われたウクライナの「光」 侵攻の影と破壊の爪痕

記事後半では、激しい攻撃が続いたウクライナ南東部マリウポリのアゾフスターリ製鉄所の破壊の様子を伝える衛星写真と、製鉄所内に避難していた市民の話を伝えます。衛星写真は、アプリではご覧いただけないため、ブラウザでご覧ください。

 マンションのエレベーターに…

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    鈴木一人
    (東京大学大学院教授・地経学研究所長)
    2023年3月1日19時41分 投稿
    【解説】

    衛星写真はこのように経年変化を見るのに適している。衛星はある地域の動きを追いかけるのには向いておらず、むしろこうした固定された施設や建物がどのように変化し、それが意味するところを理解するのに向いている。数日に1回しか同じ場所を撮像出来ないと

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