南極の巨大魚、捕まえた! 海氷下、深海620mからライギョダマシ

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中山由美
南極の厚い海氷の下、深海620mから巨大魚ライギョダマシが釣りあがった=中山由美撮影
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 「日本へ帰る前に、でっかいの捕まえたいな」。私たち「漁協係」の最後で最大の狙いは深海魚のライギョダマシだ。昭和基地の管理棟の通路には前の隊が釣った魚拓が並ぶ。「あれを超えたいね」。最大は57次隊で「全長157センチ、重量59・5キロ」とある。都内の水族館で展示された時はこれより軽かった。冷凍で日本まで輸送される間に小さくなってしまったらしい。

 2020年11月21日、白夜の訪れとともに61次隊の挑戦が始まった。夕食後、そりに漁具を載せてスノーモービルで出発。低い太陽に照らされた海氷がキラキラ輝く。基地がある東オングル島と南極大陸の間は、近い所で4キロほど。その間には深いオングル海峡がある。

 「ここらにしよう」。まずは海氷に穴を開けるのが大仕事だ。厚さは1メートルを超える。大型電動ドリルを2人で支えて掘り始める。歯を継ぎ足すと重くなり3人で、穴を広げるのには4人で上げ下げする。最後は6人で取り囲んで大奮闘。スコップも使ってやっと80センチ四方ほどの穴を開けた。

 イカ1匹まるごと針につけ…

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