「ネット広告には課題多い」  noteが模索する新たなモデルとは

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聞き手・中島嘉克
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 著名人から一般人まで誰でも手軽に記事を投稿できるメディアプラットフォーム「note」が昨年12月、東証グロース市場に上場した。累計会員登録者数は585万人、月間利用者数は3880万人となった。その特徴が、「広告なし」「ランキングなし」のビジネスモデルだ。

 加藤貞顕・代表取締役CEO(最高経営責任者)が朝日新聞の取材に応じ、「今のインターネット広告には課題が多い」と指摘。その上で、「三方よし」の新たな広告モデルを模索していることも明らかにした。

 ――noteは2011年の創業です(当時の社名はピースオブケイク)。創業のきっかけは。

 「もともと僕はアスキーという出版社で編集をしていました。00年の入社です。当時はまだ出版が元気でしたが、みるみるうちにネットに置き換わりました。まずはコンピューター雑誌がネットと競合した出版物だったと思います。最初はエクセルの関数辞典を付録につければ雑誌が売れる時代もあったんです。しかし、数年で目の前の辞典よりもグーグルで編集者の僕らですら検索するようになりました。同時に、ものすごい勢いで雑誌が売れなくなっていったのです」

 「アスキーでネットの勢いを経験した後、05年にダイヤモンド社に移りました。ビジネス書が売れている頃でしたが、iPadが10年に登場し、電子書籍がいよいよ来るぞということで、社内で電子書籍の事業を始めたんです。開発した電子書籍のアプリはすごく売れたんですが、同時に非常に継続性が低い事業だとも痛感しました」

PV単価せいぜい1円、「ものづくり難しい」

 ――どういうことでしょうか。

 「アプリが売れたのは競合が…

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    伊藤大地
    (朝日新聞デジタル編集長)
    2023年2月28日13時39分 投稿
    【視点】

    「無料でこんなにニュースが読めるのに、なぜ有料コンテンツを?」と私もよく、質問されます。しかし、前提となっている「無料でこんなにニュースが読める」という状況が、持続可能だとは私は思っていません。 加藤さんが抱いている危機感は、自ら記事