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ゲーム、買い物、カフェイン 依存を繰り返したマンガ家の意外な転機

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永田豊隆
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 はじめは中学1年生のころだった。

 家族が寝静まった家で、深夜から明け方までオンラインゲームを続けた。ネット上の仲間とバーチャル空間で「敵」を倒していく。ハードルをクリアするたび、仲間からの称賛に酔いしれた。

 慢性的な睡眠不足。重い足を引きずって学校に行ったが、成績は低下。吐き気と肩こりに悩まされた。

 芸術系の大学に入り一人暮らしを始めると、買い物に没頭した。生活費を超えるほどの画材や本をネット通販で買う。必ずしも必要だったわけではないが、物に囲まれるとなぜかほっとした。しばらくして捨てた。

 同じ頃、異常な高塩分のみそ汁を飲むことがやめられなくなった。五感を刺激されると生きている感じがした。腎機能が悪化して入院し、「もう少し遅れたら人工透析だった」と医師からいわれた。

 大学を卒業後、イラストレーターとして独立。居酒屋のアルバイトと兼業だったこともあり、仕事中の眠気に悩まされた。コーヒーを飲んでもすっきりしない。でも、ネットで取り寄せたカフェインの錠剤を飲んでみると、何ともいえない充実感を味わえた。

 マンガ家の三森みささん(30)はいつも物や行為にすがってきた。「本当の自分をみなくてすむから」

 でも、充実感の後は必ず苦しみがおそってきた。

 はじめはカフェインの服用を「1日1錠」「午前中のみ」「連続6日まで」とルールを決めていた。次第になし崩しになり、量が増えた。

 慢性的なイライラと不眠で仕事にならなくなり、やめようとすると今度は離脱症状で何日も起き上がれなくなった。

意外なメールが届く

何かに依存しながら20代までを過ごしてきたマンガ家の三森みささん。1通のメールをきっかけに、人生が変わり始めます。

 ゲーム、買い物、塩分、カフ…

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