G20外相会合に林外相欠席へ 自民理事、「国会ルールを優先して」

有料記事岸田政権

上地一姫
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 林芳正外相が、インドで2日に開かれる主要20カ国・地域(G20)外相会合の出席を見送ることになった。新年度当初予算案を審議する国会日程を優先するためだ。日本は今年の主要7カ国(G7)議長国として、ウクライナ情勢などの議論をリードすると強調していただけに、外交上の損失を指摘する声も出ている。

 予算案は2月28日に衆院を通過後、3月1日に参院予算委員会で審議入りする。1、2の両日は首相と全閣僚が出席する「基本的質疑」が行われ、林氏も出席する見通しだ。

 自民党の藤川政人・参院予算委筆頭理事は28日、記者団に「いたずらに外交日程に穴を開けるつもりはないが、基本的質疑は国会のルールを優先してもらう」と強調した。世耕弘成参院幹事長は会見で「今、日本が置かれている地政学的状況を踏まえれば、外相から、直接答えを聞いてみたい議員も多い」と語った。

 林氏は28日の記者会見で、G20外相会合の出席者は最終調整中としたうえで、「G7議長国である我が国として主張はしっかりと発信したい」と述べた。外務省は副大臣が出席する方向で検討している。

 G20外相会合では、ウクラ…

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    藤田直央
    (朝日新聞編集委員=政治、外交、憲法)
    2023年3月1日10時0分 投稿
    【提案】

     議会に出よと外相が国内にこんなに縛りつけられるのは日本ぐらいだ、というのは歴代外相の不満のタネです。20数年前に小泉内閣で田中真紀子外相を担当していて、なかなか海外出張を認めない大島理森自民党国会対策委員長(前衆院議長)と派手にぶつかった

    …続きを読む
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