「納めすぎた税金を取り戻す」脱税指南の疑い コンサル代表を告発
「納めすぎた税金を取り戻そう」と全国の会社員にSNSで呼びかけ、不正な還付申告による脱税の手口を指南していたとして、東京国税局査察部が、東京都新宿区のコンサルタント会社「プルスウルトラ」の古関陽介代表(36)=東京都北区=を所得税法違反の疑いで東京地検に告発したことが関係者への取材でわかった。
給与から所得税を源泉徴収される会社員が、副業で損失を出した場合、その赤字分を本業の給与所得から差し引き、納めすぎた税金の還付を受けられる仕組みがある。確定申告で過去5年分をさかのぼって申請できる。
関係者によると、古関代表はこの制度に目をつけ、東京や埼玉、愛知、岐阜、大阪、兵庫、福岡、熊本など19都道府県の会社員ら109人に、架空の副業で計約7億2900万円の損失を出したように装わせ、計約4300万円分の所得税の還付を不正に申告させた疑いが持たれている。一部は実際に会社員らに還付されたという。
古関代表は、告発容疑となった109人を含む300人以上にこうした手口を伝え、1年分の申告書を作成するのに1人5万円の手数料を得ていたという。受け取った手数料の総額は約5千万円に上り、一部は会社員らの勧誘を手伝った知人らにも渡っていたとみられる。
指南を受けたとされる会社員らも、国税当局から所得隠しを指摘された。大半が重加算税を含む追徴課税を受け、修正申告と納税に応じたという。
朝日新聞は古関代表に文書で取材を申し入れたが、28日までに回答はなかった。(原田悠自)
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