「スマホで買える太陽光」うたうベンチャーが破産 債権者1万人超か
「スマホで買える太陽光発電所」として個人向けに発電設備の少額のオーナーを募っていた山形県酒田市のベンチャー企業「チェンジ・ザ・ワールド」が27日、東京地裁に破産手続きを申し立て、開始決定を受けた。破産管財人の弁護士が告知用サイトで明らかにした。現時点で負債総額は約38億4千万円、債権者は約1万2千人とみられる。
同社は2014年2月の設立で、農地の上に太陽光パネルを設置する「営農型太陽光発電所」を運営。個人向けには発電設備を少額で分譲販売し、売電収入をオーナーに分配する事業「ワットストア」を始めた。サイトでは「スマホで買える太陽光発電所」とうたい、1ワット300円程度で購入可能として「毎月、発電量に応じて売電収入が分配されます」とPRしていた。
破産管財人によると、同社は自己破産の理由について、昨年6月の預託法改正で事業の継続が不可能となり、事業停止の混乱を防ぐためと説明している。同法の改正により「販売預託商法」(オーナー商法)は原則、禁止されることになった。
帝国データバンクによると、22年1月期の売上高は過去最高の約11億円を計上する一方、パネル価格の上昇やオーナー募集のウェブ広告費用などがかさみ、約3億円の赤字決算となり債務超過に陥った。
「ワットストア」事業は終了となり、発電設備は破産債権として扱われる。管財人は資産状況を踏まえ、オーナーら債権者に配当が可能かどうか調査する。
問い合わせは破産管財人室コールセンター(0234・43・6203)もしくは専用サイト(https://ctws.jp)。(高橋昌宏)
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