数々の不祥事や疑惑の渦中で注目を集めながらも、刑事司法の網にかかることはなかったトランプ前米大統領。その起訴に至る捜査を指揮したのは、ニューヨーク州のマンハッタン地区検察官、アルビン・ブラッグ氏だ。昨年就任したばかりのブラッグ氏への注目も、一躍高まっている。
米国では連邦検察官は大統領に任命され、司法省の指揮下で仕事をする。これに対し、各州の法律を執行するのが地区検察官だ。中でも、企業が集中するマンハッタンを担当する地区検察官は経済系の犯罪を多く立件することで知られる。
地区検察官の多くは選挙を通じて選ばれ、官僚組織に所属する日本の検察官とは制度が異なる。ブラッグ氏も、ニューヨーク州や連邦の検察当局で仕事をした後、2021年11月の選挙に民主党公認候補として立候補し、当選。22年1月に就任した。
マンハッタンでは民主党が圧…