7年の歳月を経て、京都の春を彩る「都をどり」が本拠に帰ってきた。約62億円かけた耐震改修工事を終えた祇園甲部歌舞練場(京都市東山区)のこけら落としとなる舞踊公演が4月1日に始まる。公演には、新型コロナに苦しめられた花街ににぎわいが戻るようにとの願いが込められている。
「気合は入れてます」
ただ1人の初舞台となる舞妓(まいこ)の佳つ秀(かつひで)さん(17)は、ほほえみながら、こう言った。「都をどり」は新人舞妓を広くお披露目する場だが、昨年、祇園甲部で舞妓になったのは佳つ秀さんだけだった。コロナ禍で、置屋には見習いの「仕込みさん」を受け入れる余裕がなくなっていたからだ。
京都市の出身で、中学を卒業し、2021年に仕込みさんになった。「芸事が好きで、ほんまになりたかったので、コロナは関係なかった」と話す。例年ならば10人ほどが仕込みさんになるが、同期は2人だけ。しかも1人は、舞妓になる前に辞めてしまった。
祇園栄えるよう、祈り込めた
芸事では、特に舞うことが好…