トランプ氏起訴は「想定内」 識者がみる風向きが変わり得る局面とは
次期大統領選への立候補を表明しているトランプ前米大統領が起訴されました。今後、どのような影響や展開が予想されるのでしょうか。米国の政治が専門の西山隆行・成蹊大教授に聞きました。
――トランプ氏が起訴されたことの影響について、どのようにみていますか。
米国の大統領経験者として初めての起訴であり、注目を集めていますが、ここまではトランプ氏にとっても、共和党にとっても想定内のはずです。
トランプ氏はかねて無罪を主張し、捜査を「魔女狩り」「司法制度の武器化」などとバイデン政権と民主党を批判して、自身が被害者であるかのように主張して支持を得ようとしてきました。少なくとも判決が下されるまでは、同じ戦略で突き進むでしょう。
――米国社会の受け止めはどうなのでしょうか。
米国では地区検察官が選挙で選ばれ、業績を挙げて政界に進出する検察官も少なくありません。そのため、検察官に対して「政治的な動機で仕事をする」との見方も少なくないでしょう。今回、事件を担当した地区検察官のアルビン・ブラッグ氏は民主党員です。
しかし、起訴をしたのは、一般有権者から無作為に選ばれた大陪審です。捜査から起訴にいたるまで比較的長期にわたったと考えられ、今回の起訴を単なる「司法の武器化」とする批判が広がるとは思えず、トランプ氏への支持が広がるとも思えません。
注目される「重大疑惑」の行方
――仮に有罪判決が下された場合、どのような影響があり得るのでしょうか。
起訴内容の詳細は不明ですが…