われらが「カシトン」母校を残したい ベトナムにできた小さな後輩

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小若理恵
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 2年前の3月末、大阪府柏原市でただ一つの府立高校が閉校した。柏原東高、愛称は「カシトン」。1977年の創立から44年、約1万2千人の卒業生を送り出した。

 閉校は、府が進めた教育改革の一環。3年連続で定員割れし改善の見込みがない学校は再編の対象とされる府立学校条例に該当した。閉校が決まった2017年、同窓会長の山中篤さん(60)ら卒業生は、在校生と同じように心を痛めた。

 山中さんと小学校からの同級生で、柏原東高でかつて保健体育を教えていた元教諭の同窓会顧問、近田(こんだ)直人さん(60)は考えた。「カシトンへのみんなの思いを何かの形にして残したい」

 同窓会には、創立50年の記念行事に向けて積み立てていた約1千万円の会費があった。「教育を十分に受けられない海外の子どもたちのために学校を建てられないか」。提案に、同窓会は大賛成。アジアで学校建設を進める東京のNPOに相談し、ベトナム北部バクザン省の農村にあるティエンソン小学校キムソン分校を紹介された。

 19年、現地を訪れた近田さ…

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