「竜とそばかすの姫」監督は絵コンテに…美術館長が伝えたい制作の裏

羽賀和紀
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 高知の田舎で暮らす女子高校生が主人公のアニメ映画「竜とそばかすの姫」を特集した企画展が、4月1日から高知市九反田の横山隆一記念まんが館で始まる。細田守監督が描いた絵コンテや、作画のために実際に作ったドレスなど約300点を展示する。会期は5月14日まで。

 「漫画専門の美術館として、いろいろなクリエーターが寄り集まって映画が出来ていることを知って欲しい」(田所菜穂子館長)と、映画制作の裏側を余すことなく紹介している。

 映画制作には「アナと雪の女王」などを手掛けたジン・キムや日本を拠点に活動するクリエーターの秋屋蜻一(かげいち)ら、国内外のデザイナーが参画した。会場では、それぞれが描いたキャラクターデザインが紹介され、クリエーターのアイデアがキャラクター(登場人物)になるまでの過程を見ることが出来る。

 また、細田監督が描いた絵コンテも展示されている。JR伊野駅を模した駅舎で、主人公の同級生ルカちゃんが恋心を抱くカミシンと出会うシーンでは、セリフの指示や細かい情景描写がびっしりと書き込まれている様子がわかる。

 「竜そば」には、仁淀川流域でモデルになった場所が数多く登場する。象徴的なシーンとして描かれた浅尾沈下橋(越知町)や能津小学校(日高村)などでは実際に観光誘客につながったのか、「アニメツーリズム」の観点から考える企画も用意した。「映画が高知に残した軌跡を一緒に考えるきっかけにして欲しい」と呼びかけている。

 同館がある市文化プラザ「かるぽーと」は老朽化のため、2022年4月から全館休館して改修工事を実施。同館も1年間休館していたが、今回の企画展がリニューアルオープンの記念事業となる。

 観覧料は大人1千円、中高生700円、小学生400円。月曜休館。会場では一部を除き写真撮影が可能。開会日の4月1日は先着100人に特製クリアファイルをプレゼントする。問い合わせは同館(088・883・5029)。(羽賀和紀)

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