「核を含むあらゆる手段で主権守る」ベラルーシ大統領 戦術核めぐり
ロシアによるベラルーシへの戦術核の配備問題をめぐり、ベラルーシのルカシェンコ大統領は31日、国民と議会に向けた年次教書演説で、「我々は主権と独立を守り、核兵器を含むあらゆる手段で確保する」と述べた。タス通信などが伝えた。核兵器の配備の時期や規模など具体的な内容には触れておらず、対立する米欧を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。
ルカシェンコ氏はロシアのウクライナ侵攻に協力しており、「我が国を取り巻く新たな軍事・政治状況の下で、(ロシアの)プーチン大統領と、1990年代に撤去した核兵器の返還交渉を活発化してきた」と述べ、プーチン氏に対して戦術核の配備を求めたことを認めた。
プーチン氏は25日、ロシア国営テレビの番組でベラルーシへの戦術核の配備で合意したと述べていた。
ルカシェンコ氏はまた、「制裁も圧力も革命もないと保証されたから撤去したのに、踏みにじられた」と述べ、米欧だけでなく、かつてのロシアの大統領からも核兵器を手放すよう圧力があったと不満を示した。
さらに、「ウクライナで本格的な戦争が始まり、核の炎をともなう第3次世界大戦が迫っている」と懸念を示し、「彼ら(米欧)は我が国を破壊するため、進入する準備をしている」と主張。「(核兵器で)誰かを脅すつもりはない。ベラルーシ国家を安全にし、国民の平和を確保したいだけだ」と述べた。
ルカシェンコ氏は2020年8月の大統領選で当選したと主張しているが、対立候補を弾圧したほか、不正疑惑をめぐる大規模な抗議デモも暴力で鎮圧したことで、米欧から制裁を科されている。
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