3球続いた内角攻めもおかまいなし ヤクルト・村上は立ち止まらない
(3月31日、ヤクルト4―0広島)
世界一を奪還したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の決勝から10日ほど。燃え尽きてはいないか――。
「そんなの言っている時点でダメですし、まったくないです」。ヤクルトの村上はきっぱりと否定する。
言葉通りの一発だ。
2023年シーズン最初の打席は一回2死二塁。広島バッテリーは初球から三つ続けて、速球で胸元をついてきた。昨季の三冠王。マークは当然、厳しい。
が、23歳がひるむことはない。4球目。外角低めぎりぎりにきた120キロの緩いカーブを、迷いなく踏み込んでとらえた。
「さあ、行こうか」。球団広報を通じて発したコメントは今季のチームスローガン。まさに、リーグ3連覇への第1歩を踏み出す先制2ランとなった。
WBCの結果に、満足などできるはずがなかった。村上に残るのは、むしろ苦い思いだ。決勝戦の直後、かみしめるように言った。
「うれしい気持ちもあるけど、悔しい気持ちもある。自分自身、レベルアップできるよう頑張ります」
日本代表の4番を任された1次ラウンドで結果を出せなかった。準決勝の逆転サヨナラ打も、決勝の本塁打も、5番打者として放ったものだった。「宿題を持ったまま終わるよ」。帰国後、代表の栗山監督からはそう言われた。
もちろん立ち止まるつもりはない。構えたときのグリップの位置など、WBC後からフォームの改良に取り組んでいる。「もっともっと打てるように」。お立ち台で高らかに誓った。(山口史朗)
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