日本旅行が人気のシンガポール、47都道府県を訪ねた識者が語る魅力

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シンガポール=西村宏治
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 「日本も桜シーズンだね。日本に行きたいなあ」。シンガポールで、そんな声をかけられることが増えてきました。ある調査では、7割のひとが「行ったことがある」と答えたというほど人気の日本。シンガポールのひとはその魅力を、どんなところに見ているのでしょうか。

    ◇

 「あなた日本人? 私も日本に行ったばかりだよ」

 ちょうど3年前、私がシンガポールに赴任してすぐのこと。タクシーに乗ると、50代とおぼしき男性の運転手さんに声をかけられたことがある。

 「どこに行きました?」と聞いた。

 東京、大阪、京都、北海道あたりを想像していた。

 だが彼は言った。

 「チチブウイスキーマツリさ!」

 毎年、埼玉県秩父市で開かれているウイスキーの祭典のことだ。

 47都道府県をすべて訪れたことがある私だが、恥ずかしながらこのおまつりは知らなかった。

 「日本人なのに知らないの?」と、少し得意げな運転手さん。

 それから半年ほど後、今度は私の部屋の大家さんと話をする機会があった。大家さんは60代の女性だ。

 「娘夫婦が日本好きで、長い休みになるといつも日本に旅行に行くんです」

 娘さんは30代の弁護士だという。

 「あなたは?」と聞くと、

 「1回だけ。娘夫婦と孫とで家族旅行に」

 「どこに行ったんですか?」

 「えーっと……イシガキジマ?」

 思わず「え? 南の島の?」と聞き返してしまった。

 「そうそう。娘がここが一番いいって言うから。確かにいいところだったよ」

 もちろん石垣島はすばらしいところだ。

 でも、シンガポールのひとがわざわざ家族旅行の行き先に選ぶところだとは思ってもみなかった。

 こんな風に、シンガポール人の日本好きには驚かされることがたびたびある。

 「シンガポールには、日本旅行のリピーターが多いんです」。日本政府観光局(JNTO)シンガポール事務所長の永井初芽さんは、そう言う。

なぜ、日本旅行はそれほどの人気なのか。記事後半では、47都道府県をすべて訪ねたシンガポール人のコンサルタントに日本観光の魅力を聞きました。

 JNTOの面白い調査結果が…

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