アベノマスク情報の黒塗り開示判決、松野官房長官「大変厳しい内容」

楢崎貴司
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 政府が新型コロナウイルス感染対策で配った布マスク(通称・アベノマスク)の単価や発注枚数の情報を国が「黒塗り」にした対応に、大阪地裁が黒塗り部分の開示を命じたことについて、松野博一官房長官は1日午前の記者会見で「主張が一部認められず、大変厳しい判決内容だ」と語った。

 大阪地裁は2月28日、厚生労働省文部科学省に黒塗り部分を開示するよう命じる判決を出した。松野氏は今後の対応について、「関係省庁において判決内容を精査した上で、適切に対応すると承知している」と述べ、黒塗り部分を開示するかどうかは明らかにしなかった。

 政府はマスクの需給逼迫(ひっぱく)を受け、2020年春以降、全世帯にマスクを配った。神戸学院大の上脇博之(ひろし)教授が両省に契約書などの情報公開を求めたが、単価などが黒塗りだったため、この部分の開示を求めて提訴していた。

 裁判で国側は「企業の営業ノウハウなどが同業他社に知られる」などと反論したが、判決では「公にしても、国の利益や企業の競争を害する恐れはない」と判断。政府が随意契約で購入したことから、「税金の使途の説明責任」の観点から国は開示を受忍すべきだとした。(楢崎貴司)

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