世界平和統一家庭連合(旧統一教会)側が、重視している韓国でのイベントへの出席やビデオメッセージの提供を、安倍晋三元首相以外の複数の首相経験者にも依頼していたことが分かった。朝日新聞の取材に自民党の福田康夫、旧民主党の鳩山由紀夫両元首相が、教団側から依頼を受けたことを認めた。両氏とも教団の活動を問題視し、拒否したという。鳩山氏は「教団側は首相経験者を広告塔として使いたかったのではないか」としている。
教団関係者によると、このイベントは友好団体「天宙平和連合」(UPF)が韓国で開くもので、韓鶴子(ハンハクチャ)総裁が出席する。各国の著名人も臨席する特別な式典と位置づけているという。2021年9月には安倍氏がビデオメッセージを寄せ、「韓鶴子総裁をはじめ皆さまに敬意を表します。家庭の価値を強調する点を高く評価します」などと語っていた。
朝日新聞が首相経験者11人に教団側からの依頼の有無を聞いたところ、福田、鳩山両氏が「依頼があった」と認めた。社民党の村山富市元首相は代理人を通じて親族が回答。「『世界』と名がつく団体から依頼の文書を受け取ったことがある。だが、返答しなかったので教団側からのものかどうか確認できない」とした。岸田文雄首相を含めほかの8人の首相経験者は、いずれも「依頼はなかった」とした。
「謝礼」として金銭の提供、持ちかけも
福田氏には、5年ほど前に教…
- 【視点】
民主党政権の最初の首相である鳩山由紀夫氏にまで接近し、協力を求める、旧統一教会の権威主義や節操のなさに唖然としている。 安倍晋三元首相の場合は、岸元首相、安倍晋太郎元外相からのつながりや、価値観の共有があった。たとえば家族観。 鳩
- 【視点】
元首相の「首相経験者を広告塔として使いたかったのでは」との言葉は、端的に核心をついていると思います。 安倍元首相の銃撃事件以来、旧統一教会側と政治の様々な関係があらわになっています。高額献金などで問題が指摘されながら、教団が一定の活動