ロシア、中国、米国、インド…影響拡大競い合う場に G20外相会合

有料記事ウクライナ情勢

ニューデリー=半田尚子、石原孝、井上亮、ワシントン=清宮涼
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 ウクライナ情勢を巡って欧米とロシア・中国の対立が続くなか、主要20カ国・地域(G20)の外相会合が2日、インドの首都ニューデリーで開かれた。双方との関係を保つ新興国の一部からも「ウクライナでの戦争をやめるべきだ」との声が上がったが、溝は埋まらなかった。

 インド政府は会合後、議長総括と題した文書を発表。「ウクライナでの戦争を非難」などとする表現にロシアと中国が合意しなかったとして、各国の合意による共同声明という形は取れなかった。

 インドのジャイシャンカル外相は会合後の会見で、「様々な立場があった」としたうえで、「食料・エネルギー安全保障などの課題では意見が一致した」と振り返った。

議論の中心はやはり

 この日の会合の冒頭、モディ首相はオンラインで演説した。第2次世界大戦後に構築された世界の課題解決のための仕組みが「明らかに失敗に終わった」と表現。「多国間主義は危機にひんしている」とし、「この悲劇的な失敗によって、多くの途上国が影響を受けていることを認めなければならない」と訴え、各国の団結を求めていた。

 だが、この日の議論の中心はまたもウクライナ情勢だった。昨年のG20議長国インドネシアのルトノ外相は「ウクライナでの戦争が続けば、世界情勢は悪化する一方だ」と主張した。

 この日、会合に参加した中国…

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    服部倫卓
    (北海道大学教授=ロシア・東欧)
    2023年3月3日13時8分 投稿
    【視点】

    国際政治学者の永井陽之助氏はかつて冷戦のことを「交渉不可能性の相互認識にたった非軍事的単独行動の応酬」と定義した。 そういう観点からすると、今日の米ロの対立も、その域に差し掛かりつつあると感じる(ロシアのウクライナ侵攻は非軍事ではなく軍事

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