カンボジアの裁判所は3日、旧最大野党・救国党の元党首で国家反逆罪に問われたケム・ソカ被告(69)に対し、禁錮27年の判決を言い渡した。政治活動も禁じられる。7月の総選挙を前にした野党勢力への圧力だとの批判が出ている。
元党首は2018年の前回総選挙を前に、「外国人と共謀して国家の転覆を謀った」として17年に逮捕・訴追された。18年から自宅軟禁となり、体調などを考慮して19年に軟禁は解かれたが、引き続き政府の監視下に置かれ、政治活動や国外渡航が禁じられている。
20年に始まった公判では、弁護側は訴追内容を全面的に否認し、無罪を主張した。米国政府も「でっち上げの陰謀説だ」と否定していた。
現地メディアなどによると、裁判所は3日の判決で、10年から逮捕されるまでの7年間、外国勢力と共謀していたと認定した。裁判長は、選挙への立候補や投票も禁じると述べた。
判決後、元党首は法廷から自宅に移動させられ、再び自宅軟禁に入った。家族以外の人物との面会は禁止されるという。弁護人は「7月の総選挙に向け、野党を弱体化させる政治的動機に基づくものだ」とし、控訴する意向を示した。
裁判で「共謀」の証拠とされ…
- 【提案】
カンボジア政府によるあからさまな「法による統治(rule by law)」の典型例だ。「法の支配(rule of law)」では法の下の平等が確保され、政府のトップも含めて法に従わなければならない。これに対して近年、政府が政治的な目的で司