日医工、221品目を販売中止 ジェネリック薬不足に拍車かかる恐れ

田中奏子
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 ジェネリック医薬品(後発薬)大手で経営再建中の日医工は3日、221品目の医薬品の販売を中止すると明らかにした。同社が扱う全品目の1割強にあたる。ジェネリック医薬品の供給不足に拍車がかかる恐れがある。

 同社によると、富山県から行政処分を受けた富山第一工場で製造していた品目のほか、製造コストが大きい「不採算品目」などの販売を中止する。すでに製造は止めており、在庫がなくなったものから出荷を見合わせる。厚生労働省やほかのジェネリックメーカーと協議をし、医療機関などには代替品を案内している。

 同社は昨年末、私的整理の一つである事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)が成立。事業再生計画のなかで、製造体制を合理化し、不採算品目から撤退する方針を示していた。不採算品目は今回の販売中止の品目よりも多数に上るとみられる。同社は今後の撤退の方針については「厚労省と協議し、決まった段階で公表する」としている。

 同社は2月末時点で1496品目を製造していたが、1275品目になる。

 ジェネリック業界では日医工などの品質不正問題による出荷停止のために深刻な供給不足が生じている。日医工が扱う品目数は業界で最も多い。今回の販売中止によって供給不足がさらに悪化する可能性がある。(田中奏子)

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