【そもそも解説】「同性婚」認められない理由は? 今なぜ議論が?
岸田文雄首相が、同性同士の結婚について国会で「家族観や価値観、社会が変わってしまう課題」と述べたことをきっかけに、性的少数者をめぐる法整備が注目されています。なぜ今、同性婚が議論されているのでしょうか。日本の現状について解説します。
Q 日本では、同性同士のカップルの結婚は認められていないの?
A 配偶者を異性に限るとはっきり定めた法律はない。だが、政府は、民法や戸籍法にある「夫婦」という言葉が、男である夫と、女である妻を意味していると、国会で答弁している。
トランスジェンダーなど性自認が異性のパートナーであっても、戸籍に記載された性が同性同士になる場合、婚姻届を出そうとしても「不適法」となり、受理されない。
Q 同性婚が認められないと、どんな不利益があるの?
A 法律婚が要件とされる所得税の配偶者控除が受けられなかったり、パートナーが亡くなっても法定相続人になれなかったりする。
子育てをしている場合は、共同で親権を持つことができない。
病院で家族と認められず、パートナーの病状について説明を受けられなかった人もいる。手術など医療行為の同意ができるのか、パートナーが事故などに遭ったときに連絡を受けられるのかを心配している人も多い。
海外で同性婚をしていても、日本では配偶者としての在留資格が認められないため、日本での生活が不安定な立場におかれている外国人と日本人のカップルもいる。
Q なぜ今、同性婚の議論が盛り上がっているの?
A 同性カップルの結婚は…