ウィシュマさん生前の映像、6・7月に名古屋地裁の法廷で上映へ
高橋俊成
名古屋出入国在留管理局で2021年3月に亡くなったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)を巡る国賠訴訟の進行協議が3日、非公開で行われ、ウィシュマさんの生前の様子を記録した監視カメラ映像が6月21日と7月12日に名古屋地裁の法廷で上映されることが決まった。
進行協議後、遺族側弁護団が明らかにした。今後、具体的な上映の内容についてさらに協議する。国側は今月2日付の意見書で「映像はウィシュマさんの名誉・尊厳を侵害しかねない問題を生じさせる」などとの理由で上映をしないよう改めて主張。だが、同地裁がこれを退けて、上映を決めた。
弁護団の指宿昭一弁護士は「ウィシュマさんの尊厳を傷つけたのはいったい誰なんだ。国が自分たちの責任を覆い隠すために尊厳を持ち出すのはとんでもない」と指摘。「あのビデオを見てもらえば誰に責任があるのかわかる。法廷で見てもらうのは良い機会だ」と話した。(高橋俊成)