WBC韓国代表が近年、結果を残せないのはなぜ? 専門家が徹底分析
野球日本代表「侍ジャパン」は10日、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では2009年の第2回大会決勝以来となる韓国戦に挑む。
韓国はWBCで、直近の過去2大会では結果を残せていない。今回はどんなチームなのか。
米アリゾナ州での韓国代表キャンプを取材してきた、韓国野球を専門とするジャーナリストの室井昌也さんに聞いた。
スター性あふれる〝韓国のイチロー〟
――打線では“韓国のイチロー”とも呼ばれる李政厚が注目を集めています。過去に中日でプレーした李鐘範さんを父に持ちます。どんな特長の選手ですか。
「昨季は2年連続の首位打者、初の打点王を獲得し、シーズンMVPに輝きました。韓国球界のスーパースターだった李鐘範さんもMVPを取ったことがあり、親子2代でのMVPはリーグ初でした」
「韓国の選手たちに聞くと、李政厚選手は選球眼が良く、余計なボール球に手を出さない、と。昨季の三振率(三振数÷打席数)は5.1です。吉田正尚選手が昨季、8.1だったので、かなり少ない」
「大リーグ挑戦を意識していた昨季は長打力を意識して、23本塁打。一方で三塁打はリーグトップの10本を記録して、走攻守そろった選手です」
――日本では2世選手が大成するのはなかなか難しいと言われています。2世選手の重圧もはねのけ、スター街道を歩んでいる、と。
「韓国でも2世選手が活躍している事例は多くありません。競技人口が多くないなか、スター選手の子どもが野球をやることはありますが、スターにまで育っていません。それなのに、スーパースターの子どもがスーパースターになる。まるで漫画みたいですよね」
――投手陣で「推し」の選手はいますか。
「左投げの具昌模投手です。故障がちで規定投球回数に達したシーズンは一度もありませんが、2桁勝利を2回。20年は無傷の9勝でした。ケガさえなければ安定した投球ができる。韓国の野球界では左投げのエースが国際大会で活躍してきた歴史があります。具投手は次世代の左のエースとして期待されています」
――大リーガーでは、主軸の崔志萬(パイレーツ)が手術明けのため代表から外れました。メジャー選手は2人です。
「金河成内野手(パドレス)は攻守に秀でています。19年の国際大会『プレミア12』の日本戦では本塁打を放っています。足も速く、メジャーでも守りの評価が高い。着実に成長しています」
「エドマン内野手(カージナルス)は母親が韓国出身で、21年には二塁手でゴールドグラブ賞を獲得しています。足が速く、打線では上位だけでなく、いろいろな役割を果たせると思います」
――韓国代表は、WBCでは直近の過去2大会ともに1次ラウンドで敗退。21年の東京五輪では準決勝で日本に敗れ、3位決定戦でも勝てず、メダルを取れませんでした。2000年代は08年北京五輪で金メダル、09年のWBC第2回大会で2位になっていました。近年、結果を残せていない理由をどう見ていますか。
「韓国球界はピンチだ」
記事の後半部分では、韓国が日本にどうやったら勝てるのかも予想しています
「いま、『韓国球界はピンチ…

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