渡良瀬遊水地でヨシ焼き
栃木、群馬、埼玉、茨城4県の4市2町にまたがる渡良瀬遊水地で4日、春の風物詩「ヨシ焼き」があり、約1千200ヘクタールがきれいに焼き払われた。
ヨシ焼きは、枯れたヨシやオギなどを焼き払い、病害虫を駆除し、新芽がまっすぐ育つようにするために行われてきた。湿地の乾燥化を進めるヤナギの若木や、広範囲で繁茂してヨシの成長を妨げる外来種のアレチウリを焼き尽くす効果もある。
13地区に分かれ、約270人が午前8時半に一斉に点火した。好天続きで乾燥はしていたものの、風が弱く、なかなか火が広がらなかった。燃え具合を見ながら、追加で火入れをする地区もあった。
コロナ禍で続けてきた見学自粛を今年は呼びかけなかった。見学者数はコロナ前の2019年の約9200人には遠く及ばなかったものの、この日は約2800人が堤防の上から火入れの様子を見守っていた。
小山市下生井のコウノトリの人工巣塔周辺は事前に下草は除去されている。とはいえ、周囲から立ち上がる炎や煙の中、ここで4度目の繁殖期を迎えている「ひかる」(雄6歳)は巣の上から動かなかった。(根岸敦生)
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