走り切った駒大・山野力 大八木監督からの最後の「ゲキ」を力に
辻隆徳
初の42・195キロは少しほろ苦いものになった。
東京マラソンが5日に東京都庁―東京駅前のコースであり、駒大の山野力(4年)が出場した。結果は2時間16分25秒の53位。日本選手トップの山下一貴(三菱重工)から10分以上遅れてのゴールとなり、マラソンの洗礼を浴びた。
ただ、その中でも確かな収穫を得た。
「学生のときに思い切った経験をしたかった」
山野が言う思い切った経験とは、日本新記録ペースで食らいついていったことだ。
先頭集団のペースは、ペースメーカーによって1キロ2分57~58秒に設定された。フィニッシュ予想は2時間4分~4分30秒。日本記録の2時間4分56秒を上回る想定だった。
山野はスタートから先頭集団についた。15キロ付近の給水ではボトルを取り損ねて走路を戻るアクシデントもあったが、すぐ追いついた。
「初めてのフルマラソンだっ…