菊池雄星(ブルージェイズ)や大谷翔平(エンゼルス)が輩出した花巻東高校(岩手)を指導する佐々木洋監督(47)は、20歳のころ、ある挫折を経験しました。そのとき手にした本に書いてあった内容が、いまにつながっていると語ります。
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野球部では、部員全員が必ずすることがあります。目標をたてるのです。
目標は、81マスの設定シートに記入します。3×3=9マスの真ん中に、最終的な目標を書きます。その周囲の8マスには、「そのために何をするか」を書きます。
中央の3×3の周りに、さらに3×3のマスを八つつくります。それぞれの真ん中には、「そのために何をするか」に書いた内容を、また書きます。これは、最終目標を達成するための中間目標になります。そして、中間目標達成のために「何をするか」を、周囲のマスに書いていきます。
「プロ野球選手になる」「甲子園に出る」。みな、いろんな最終目標を設定します。「岩手県知事になる」という最終目標を立てた生徒もいました。そのためには「資金」「リーダー性」などと書いていましたね。
ポイントは、数字などを挙げた具体的な内容であることと、期限を設ける、という点です。
菊池雄星の最終目標は「高卒でドジャース入団」、でした。中間目標には、「甲子園で優勝」「愛されるプレーヤーになる」「MAX155(キロ)」とありました。155キロを出すためには「フルスクワットで140キロ」などと記していました。
設定シート以外にも、目標を書く機会はたくさんあります。目標や自分を奮い立たせる言葉で埋めた自作のポスターをつくるのも、その一つです。
大谷翔平は、「世界最高のプレーヤーになる」と書いたことがありました。大谷は2021年、アメリカンリーグの最優秀選手(MVP)に選ばれましたが、決して偶然ではないと思っています。
目標を立て、そのためにすべ…
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